レチノール入りの化粧品を初めて使うとき|化粧品と医薬部外品の違い、少量から始める順番と、美容家電との距離の取り方

夜の洗面台に置かれた琥珀色の遮光ボトルと白いタオル

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目次

「レチノール」という言葉は聞くけれど、何を選べばいいのか分からないとき

売り場で目にする「レチノール配合」の表示

ドラッグストアやオンラインショップを見ていると、美容液やクリームの商品名や宣伝文に「レチノール」と書かれたものが増えました。年齢を重ねた肌の悩みに合わせて探しているうちに、気づけば何本も候補が並んでいる、という人も多いと思います。

ただ、同じ「レチノール配合」という言葉でも、中身の位置づけは商品によって違います。ここを知らないまま選ぶと、「思っていた使い方と違った」「期待していた書き方ではなかった」ということが起こります。

この記事で扱うこと

この記事は、特定の商品をおすすめするものではありません。扱うのは次の3つです。

  • 化粧品と医薬部外品で、表示できることがどう違うのか
  • 初めて使うときに、肌への負担を小さくする順番
  • 美容家電を使っている人が、レチノールとの距離をどう取るか

肌の悩みだけが先に立っている人へ

「シワが気になる」「ハリが気になる」という悩みだけがあって、美容家電までは考えていない人もいるはずです。その場合も、この記事の前半だけで十分に役立ちます。家電の話は後半にまとめてあるので、必要になったときに読んでください。

化粧品でうたえること、うたえないこと

化粧品の効能は、国が範囲を決めています

化粧品は、表示・広告できる効能の範囲があらかじめ決まっています。厚生労働省の通知(2011年7月21日付)には、化粧品の効能として表示し、広告できる事項は、別表に掲げる効能の範囲に限られる、と書かれています。

この通知では、2011年に「乾燥による小ジワを目立たなくする。」という効能が新しく加わったことも示されています。つまり、化粧品が表現できるのは「乾燥による小ジワ」を「目立たなくする」ところまでで、「シワをなくす」「シワを治す」といった言い方はできません。

「全てのシワに効く」と受け取れる書き方は認められていない

同じ文書に付いている日本化粧品工業連合会の広告ガイドラインには、加齢によるシワなども含めて、全てのシワに効果があるものと誤認される表現をしてはならない、と書かれています。

商品を見るときは、この点を知っておくと役に立ちます。もし宣伝文が、年齢や深いシワまで変えられると受け取れる書き方をしていたら、その表現が何に基づいているのかを、一度立ち止まって確かめてください。

手に取るときのチェック項目

  • 商品ページや外箱に「化粧品」「医薬部外品」のどちらと書かれているか
  • 書かれている効能が、乾燥・うるおい・肌を整えるといった穏やかな範囲か
  • 使用上の注意、使い方(量・頻度・使う時間帯)が書かれているか
  • 問い合わせ先が載っているか

医薬部外品とは何が違うのか

「承認」を受けた効能だけを表示できる区分です

化粧品の通知には、医薬部外品などで個別に承認を取得した効能については、承認された効能の範囲でシワに関する表示ができる、という趣旨の記載があります。

言い換えると、化粧品は「決められた範囲の中で」表現し、医薬部外品は「その商品ごとに国の承認を受けた効能の範囲で」表現する、という違いです。

実際の承認例を見ておく

2017年に、国内メーカーが「純粋レチノール」を有効成分にした医薬部外品について、「しわを改善する」効能効果の承認を厚生労働省から受けたと発表しています。同社の発表では、日本香粧品学会が定めた評価ガイドラインに沿って試験を行ったとされています。

試験の条件も公開されています。目尻に浅いしわからやや深いしわがある37〜54歳の日本人女性を対象に、有効成分を配合した製品と、純粋レチノールを配合していない製品を9週間使って比べたものです。

ここで大事なのは、結果の数字そのものより、「効能を言うためには、決められた方法で試験をして、国の承認を受ける手順がある」という点です。承認を受けた商品で言えることを、承認を受けていない別の商品にそのまま当てはめることはできません。

医薬部外品なら誰にでも合う、というわけではありません

承認を受けていることは、全ての人の肌に刺激が出ないという意味ではありません。どちらの区分でも、肌に合うかどうかは別の話です。使い始めの注意は、あとの章で整理します。

成分は「光・熱・酸素」に弱いとされます。買ったあとの保管

純粋レチノールは不安定な成分と説明されている

先ほどのメーカー発表には、誘導体ではない純粋レチノールは、熱・光・酸素に対して弱く、非常に不安定な成分である、と書かれています。同社は専用の容器を開発して安定性を保っている、とも説明しています。

この説明は、特定のメーカーの商品についてのものです。ただ、「光や空気に触れやすい成分は、保管のしかたで状態が変わりうる」という考え方は、ほかの商品を使うときにも参考になります。

家庭でできる、無理のない保管のしかた

  • 使ったあとはキャップをしっかり閉める
  • 浴室や窓際など、温度や光の変化が大きい場所に置かない
  • 容器が遮光になっているもの、空気に触れにくい形のものは、その使い方に従う
  • 使用期限、開封後の目安は、商品の表示を確認する

「古くなったかも」と思ったとき

においや色が以前と違う、テクスチャーが変わったと感じたら、使い続けずに商品の問い合わせ先に確認してください。もったいないと感じても、肌に使うものは「確信が持てないときは使わない」のほうが安全です。

初めて使う前に決めておく3つのこと

1. 量は少なく、頻度は低く

最初から毎日たっぷり使う必要はありません。商品の説明書きにある使い方の範囲で、いちばん少ない量・低い頻度から始めます。具体的な量や回数は、商品の表示に従ってください。このサイトでは、特定の数字を勧めることはしません。

2. 新しいものは1つずつ

同じ時期に、美容液・洗顔料・日焼け止めなど複数を変えると、肌の調子が変わったときに原因が分かりません。足すのは1つだけにして、2〜4週間は様子を見ます。この考え方は、「新しい化粧品や美容液を試すとき、いつ顔に使えばいいのか」でも詳しく書いています。

3. 顔全体の前に、目立たない場所で

肘の内側など、皮膚が薄くて目立たない場所で先に試します。判断に必要な時間や見方は、商品の注意書きに従ってください。試した場所に赤み・かゆみ・ヒリつきが出たら、顔には使いません。

肌が反応したように感じたときの考え方

まず、使用を止めて様子を見る

使い始めに、赤み・かゆみ・ヒリつき・皮むけのような変化が出ることがあります。原因が商品なのか、洗顔のしすぎやこすり洗いなのか、季節の乾燥なのかは、見た目だけでは分かりません。

迷ったときは、新しく始めたものを止めて、肌が落ち着くのを待ちます。「効いているサインかもしれない」と考えて続けることは勧めません。

刺激の原因は、ケア全体から切り分ける

洗顔・保湿・日焼け止め・家電のどれが負担になっているのかを順に見ていく方法は、「ケアのあとに肌が赤くなる・ヒリヒリするとき」にまとめています。レチノール以外の習慣が原因になっていることも少なくありません。

皮膚科に相談したほうがよい目安

  • 赤みやかゆみが数日たっても引かない
  • 腫れ、強い痛み、ただれのような症状がある
  • 目のまわりや唇に症状が出ている
  • 妊娠中・授乳中で、使ってよいか迷う

最後の点は、自己判断をしないでください。使っている製品の名前を持って、医師や薬剤師に確認するのが確実です。

日中のケアが先。土台になる洗顔・保湿・日焼け止め

新しい成分を足す前に、土台が整っているか

洗い方がこすり気味だったり、保湿が足りていなかったりすると、新しい成分の刺激を受けやすくなります。洗顔の泡・お湯の温度・拭き方を見直す方法は、「洗顔を見直すと、そのあとのケアが変わります」に書きました。

保湿は「全部やる」より「続けられる形」で

化粧水・乳液・クリームの役割は、「化粧水だけで保湿は足りているのか」で整理しています。レチノールを足す日でも、保湿を増やしすぎる必要はありません。普段の保湿に、新しいものを1つ足すイメージで十分です。

日焼け止めは、毎日の習慣にしておく

日中のシワやくすみの印象には、紫外線の影響が大きく関わるといわれます。夜に何を足すかより、昼に日焼け止めを塗れているかのほうが、結果として差が出ることもあります。塗る量や塗り直しは、「日焼け止めは夏で終わりではありません」を参考にしてください。

美容家電とレチノールを同じ日に使うか

家電の取扱説明書が、いちばん優先される

RF・EMS・イオン導入・LEDなど、美容家電にはさまざまな種類があります。使える化粧品の種類、使ってはいけない成分、併用してよいジェルは、機種ごとに違います。「レチノールを塗った日に使ってよいか」は、その機種の取扱説明書とメーカーの案内で確認してください。書かれていないときは、メーカーのお客様窓口に問い合わせるのが確実です。

このサイトでは、成分名や質感だけから「この機種で大丈夫」と一般化しません。

迷ったら、日を分ける

同じ夜に、新しい成分と家電の刺激を重ねると、肌が反応したときに原因を特定できません。まず化粧品だけで2〜4週間続け、落ち着いて使えると確認できてから、家電を使う日と使わない日を分けて組み立てると、切り分けがしやすくなります。

家電を使う日の化粧品の順番については、「家電を使う日のスキンケアの順番」を参考にしてください。

そもそも、家電が必要かを考える

レチノールの化粧品を使い始めると、「ほかにも何かしたほうがよいのでは」と感じることがあります。けれども、悩みの種類によっては、家電を足す必要がないことも多いです。判断の目安は、「その悩み、自宅で手を打つか人に任せるか」にまとめています。

続けやすい組み立て方のイメージ

最初の4週間の考え方(週ごとの目安)

  • 1週目:土台(洗顔・保湿・日焼け止め)を整えるだけで、新しい成分は足さない
  • 2週目:目立たない場所で試す。問題がなければ、商品の表示の範囲で少量から始める
  • 3〜4週目:肌の調子を記録しながら、頻度は表示の範囲を超えて増やさない
  • 4週目以降:続けるか、やめるか、別の方法にするかを決める

記録は、簡単なもので十分

スマートフォンのメモに、使った日と、肌の様子を一言(つっぱる・赤み・変化なし)で残します。数日で変化を判断せず、2週間分をまとめて見返すと判断しやすくなります。

「やめる」を選べることも、続けやすさのうち

合わないと感じた成分を、無理に続ける必要はありません。やめたあとも、目もとの乾燥や小ジワが気になるなら、保湿と日焼け止めを見直す、皮膚科や専門家に相談する、といった別の選択肢があります。目もとの悩みは「目尻の細かいシワ・ちりめんジワが気になるとき」も参考になります。

最後に、迷ったときの優先順位

3つだけ覚えておく

  • 表示された効能は、化粧品と医薬部外品で位置づけが違う
  • 初めてのときは、少量・1つずつ・目立たない場所から
  • 家電との併用は、取扱説明書が先。迷ったら日を分ける

年齢のせいにしすぎない

肌の変化を「年齢だから仕方ない」と片づけるのも、「何か強いものを足さなければ」と焦るのも、どちらも続けにくくなる原因です。肌の変化に気づいた順に、無理のない一手を足していく考え方は、「30代からのエイジングケアはいつ・何から始める?」でも書いています。

次に読むなら

成分の考え方をもう少し広げたい人は「美顔器と一緒に使う美容液の選び方」、首もとなど顔以外の悩みが気になる人は「首もとのシワ・たるみが気になるとき」へどうぞ。

よくある質問(FAQ)

  • レチノールを使えば、シワはなくなりますか?

    化粧品の場合、表現できるのは「乾燥による小ジワを目立たなくする」という範囲です。シワがなくなると言い切ることはできません。医薬部外品で承認を受けた効能がある場合も、その商品に承認された範囲に限られます。

  • 化粧品と医薬部外品は、どちらを選べばいいですか?

    どちらが上ということではありません。区分ごとに表示できる効能の範囲が違うので、商品ページで区分と効能を確認し、自分の悩みに合うほうを選んでください。

  • 毎日使ってもいいですか?

    商品ごとに使い方が違います。パッケージや説明書にある頻度と量の範囲に従い、初めてのときは少ないほうから始めてください。

  • 使ったあと、赤みやヒリつきが出たらどうしますか?

    使用を止めて、肌が落ち着くのを待ってください。数日たっても引かない、痛みや腫れがある場合は、皮膚科に相談してください。

  • 妊娠中・授乳中でも使えますか?

    自己判断はしないでください。使いたい商品の名前を持って、医師や薬剤師に確認してください。

  • 美顔器を使う日に、レチノールの化粧品も使っていいですか?

    機種ごとの取扱説明書とメーカーの案内に従ってください。書かれていない場合は、メーカーに問い合わせ、迷うときは日を分けて使ってください。

  • 開封後、どのくらいで使い切ればいいですか?

    商品の表示に書かれた使用期限や開封後の目安に従ってください。キャップを閉め、光や熱を避けて保管します。

  • 家電を持っていなくても意味がありますか?

    はい、この記事の内容は家電がなくても使えます。洗顔・保湿・日焼け止めの土台を整えるだけでも、肌の見え方は変わります。

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